こんにちは。今日は通信レッスンの添削指導をご紹介させて頂きたいと思います。
只今、通信レッスンをご受講下さっているMakiさんが居られます。Makiさんは只今、お仕事もされながら育児まっ最中の女性です。
家事にお仕事、育児とお忙しい毎日の中に、少しずつ時間を見つけ、楽しみながらコツコツと描いて下さっています。
そんなMakiさんのお姿に、ご指導をさせて頂ける私も、とても励まされます。
そして、今回、Makiさんから、ご自身のレッスンを公開してもOKとのご快諾を頂けましたので、こちらのブログにてご紹介をさせて頂きます!
今回のご紹介は、Makiさんの 『誰かのお役に立ちたい』 と言うご誠実なお気持ちから実現が叶いました。Makiさん、本当に有り難うございます!!(*^_^*)
鉛筆デッサンのお勉強や、絵を描く事にご興味を持たれている方の、次の新しい何かを始めるきっかけになれば幸いです。
下の作品は、Makiさんがご提出下さったデッサン作品です。(F4号のスケッチブックをご利用されています)
とても美しく描写されていますね。ご自身の楽しんで描いておられるご様子が良く伝わって参ります。誠実なデッサンです!(#^-^#)
しかし、全体的にどこか少し、違和感を感じてしまいます。 何故でしょうか‥‥?それでは、ご一緒に考えて参りましょう。
違和感を感じる1つ目の理由は、2個のピーマンの調子(描き方・鉛筆の濃淡や密度・光の差している方向)が揃っていない為です。
これは、鉛筆の線の使い方が原因では無く、2個のピーマンを別々に仕上げてしまった事がその原因と考えられます。
2個以上のモチーフを一緒に描く場合は、常に一緒に描き進めて行かなければなりません。
1個完成してから次の1個を描く、と言う描き方はしてはいけません。この後、その理由をもう少し掘り下げてご説明させて頂きます。
他には、テーブルに落ちたピーマンの陰の描き方です。ピーマンとテーブルの接点である陰の部分は、この作品画面の中で、最も暗くなっている所です。
ですので、その部分には思い切ってもっと濃い目の鉛筆を使用してみましょう。そうすると、陰影がハッキリしてモチーフが見え易くなります。
私の加筆指導をさせて頂きました作品も合わせてご紹介させて頂きます。
返却されたスケッチブックへ、ご自身がまた続いて手を入れられる様に、私の加筆指導は基本的に(ご要望の無い限りは)ご本人の作品をコピーしたものにさせて頂いております。
私達は目の前に有るモチーフ(モデルになる物)を描いていますが、同時に、そのモチーフを通してその空間を描いているのです。
モチーフが2個であっても3個であっても、その2個で一つのもの、3個で一つのもの、常に、モチーフ全てで一つものと捉えて下さい。
その部屋の光、空気、香り、窓から入る風、そこに流れる音楽♪さえも、全部ひっくるめて、一つのものなのです。ですので、1個1個別々に描いてはいけません。
別々に仕上げながら描いてしまうと、画面全体に秩序や統一感の無い、不自然な作品になってしまいます。
これは、鉛筆デッサンに限らず、油彩画、水彩画、パステル画、クレヨン画、色鉛筆画など、あらゆる作品制作に関して共通する、大切な事柄です。是非、覚えていて下さいね。
例えば、目の前に赤いリンゴとレモンが有ると致しましょう。
私達は素直にその2つをデッサンします。赤リンゴを描いています。レモンを描いています。でもそれは、ただ単に、リンゴの形やレモンの形を描いているのでは無いのです。
描くと言う行為は、リンゴのあの爽やかな香りであったり、甘酸っぱい味をも絵を通して表現しなくてはならないのです。
そのリンゴとレモンで、その空間の光であったり、風であったり、さらには見えていないもの、その背後に有る物語さえも描いてゆくのです。
この事を少し意識して、改めてモチーフを見つめ直してみて下さい。(#^.^#)★
※ Makiさんの鉛筆デッサン②も公開致しました(公開日: 2015年5月19日)。詳細はこちらでどうぞ⇒ こちらをクリック!
【以下、補足です】
北野田絵画教室の通信レッスンでは、作品と一緒に、『制作日記』 と言う専用の連絡用紙もご提出頂いております。
そちらに、制作されたご自身の作品説明や、私(講師)へのご質問やご要望などを自由にご記入頂きます。
そして、添削指導の際、私もそちらの制作日記に一つずつご返事を書き、作品と共にお返しさせて頂きます。今回、Makiさんの 『制作日記』 については、公開は控えさせて頂きます。