ペンで描こう!ドローイング『大根の中抜き・秋明菊と南天の実』編

ペンで行うデッサン

 

こんにちは!
早いもので、今年もあっという間に2カ月が過ぎ、気付けばもう3月になろうとしております
現在の当教室は、受験生の方々は試験当日を想定したデッサン、
春の公募展にチャレンジをされるご生徒様方は大作の制作が続いており、
毎年この時期になると、皆様の活気に満ち、私も元気と良い緊張感を頂いております(^。^)/
皆様とご一緒に私も大きな油彩画の制作を続けておりましたが、先週漸く終える事が出来ました。

そして、受験生の合格通知も届き始めました!!
これらはまた後日、改めて皆様にご報告、ご案内を申し上げたいと思います

 

さて今回は…。
私のペン画2点と、その制作過程をご紹介させて頂きます(#^.^#)
ご紹介の後には、『ドローイング』『クロッキー』『スケッチ』についてのお話も少しさせて頂きます。
絵の世界に触れておりますと、どこからともなく聞こえて参りますこの単語たち…。
私は学生の頃、これらの意味や違いが、分かる様であまり良く分かりませんでした。
今回のお話が、疑問に思っていらっしゃいました方の問題解決のお役に立てましたら幸いです。

 

ご紹介させて頂きます作品は全て、鉛筆等による下描きは一切行わずに、いきなり画用紙にペンで描いております。
制作の際、どこの部分からどの様に描き進めたのかをご覧頂けます様に、
描いていった順番を記した画像も合わせて掲載させて頂きました
こちらも、あなたのご制作のご参考になれましたら幸いでございます(^-^

 

それでは先ず、私が描写に使用致しました画材からご紹介をさせて頂きます(^。^)/

 

 

ペンとインク

 

 

用いましたペンは、ペン先にインクを付けて描く『つけペン』です。
ペン軸とペン先は別々に販売されており、使い手の好みによって色々と組み合わせられる仕様になっています。
私の使用致しましたペン先は、日光の『Gペン』で、
インクは、マクソン社のコミック顔料インク(セピア色)です。
私の場合、これらは普段、イラスト制作の際に使用致していますが、今回スケッチにも使用してみました。
黒色のインクは白い紙とのコントラスト(色の差異)が大きくなって、線が強い印象になりますので、
私は絵画の制作にはセピア色を好んで使用致しております。
これらの画材は、画材屋さんのコミック画材(漫画制作用品)の売り場に大抵並べられております(^-^)

画用紙は、ニューブレダンと言う紙のF4号サイズを使用致しました。

 

それでは、1作品目のご紹介でございます…★彡

 

 

大根の中抜きのペン画1

 

 

モデルになってくれましたのは、中抜き大根さんでございます!(^_^)
ご生徒様のけいこさんが、お父様が愛情を込めて大切に育てておられる美味しい無農薬の野菜を持って来て下さいました。
この大根の愛らしく瑞々しい姿と、けいこさんとご両親の温かいお心を絵に残しておきたくて、ペンを取りました。

セピア色の線描の感じが、銅版画作品の様な雰囲気に仕上がって、個人的には嬉しく思っております…(*´。`)
では、この作品を描いた順番も、次の画像にてご紹介させて頂きますね

 

 

大根の中抜きのペン画2

 

 

鉛筆等による下描き(試し描き)をせずに、いきなりペンで描くわけですから、
ちゃんと画面に収められるだろうか、変な事になってしまわないだろうかと、私も緊張を致しました…(*^-^;)ゞ(笑)

先ず、描き始める前に、この紙の中のどの辺りに、どれくらいの大きさで描くのかを目測してみます。
(鉛筆デッサンの時と同じですね。)
大体の目安が付けられれば、自分が一番興味を持った所、ここからやってみようと思った所から描き始めてみましょう。

私は、左端上のの葉先から画面の中心に向かって描き始めました。
続いて、部分を先と同じく葉先から中心方向へ描きました。
そして、右端の根っこの球体部分を描きました。
これで左端、右端の位置が決められましたので、画面全体に安定した構図を得やすくなりました。
後は、残りの部分を埋める様にスケッチを進めて…、完成です!

 

2作品目は、お花の作品でございます(^-^)

 

 

秋明菊と南天のペン画1

 

 

こちらのお花は、秋明菊(シュウメイギク)と南天の実でございます(^-^)
けいこさんは先のお野菜と共に、お母様がお庭で育てておられるお花も持って来て下さいました。
秋明菊はポピーの花に良く似た形で、白くて小さなお花です。
これらを牛乳瓶に差して、下にはレースのコースターを敷き、描きました。

描きました順番も、画像にてご紹介させて頂きます。

 

 

秋明菊と南天のペン画2

 

 

こちらも描き始める前に、先と同じく、この紙の中のどの辺りに、どれくらいの大きさで描くのかを目測してみます。
大体の目安が付けられれば、自分が一番興味を持った所、ここからやってみようと思った所から描き始めてみます。

私は、真ん中の花から描き始めました。
そして、直ぐ上のの花を描き、この2輪の茎③と④を描き、先ずは絵の中心部分を作りました。
それから、これらの周辺(からへ)を描いていき、全体を完成させました。
画面に上手く入ってくれて、良かったです…!(笑)

 


 

続きまして、最初に少し触れさせて頂きました
『ドローイング』『クロッキー』『スケッチ』についてのお話も致したいと思います。

今回私が描いた様な作品は、美術ではドローイングと呼ばれ、素描とも呼ばれます。
では、これらの違いは何なのでしょうか?

 

簡単にそれぞれを分類してみました。

 

  • ドローイングは、線を主体にした絵を描く事や、その絵(線描画)の事を差します。
    鉛筆や木炭を使用したデッサンでも、陰影表現の描写ではなく、線でモデルを捉え描いた絵はドローイングと呼ばれます。
    着色をしている絵でも、線が主体になっている絵であれば、全てドローイングと呼ばれます。
  • クロッキーもドローイングと呼ばれ線描画になりますが、こちらはごく短時間でモデルを捉えて描く絵の事を差します。
    1枚につき数分、長くて15~20分間で描くものをクロッキーと呼びます。
    クロッキーはモデルの外面を寸分違わずに描き取る正確性よりも、
    モデルが持つ量感や動き、内面(性質)を直感的に捉え、それらを短時間で正確に描き出す事を重視します。
    クロッキーは、作者の目と手の鍛錬、モデルの構造を理解し、作者自身の確認の為に行います。
    また、油彩画等の本制作前の習作としても行い、これは人物画に対して行う事が多いです。
  • スケッチは、描写を即興的に簡略化したクロッキーとは違い、やや描き込みのある絵で、写生です。
    線のみで行う事もありますが、作者の好みにより着色する場合もあります。
    水彩絵の具等で軽く着色されたものは、淡彩画と呼ばれます。
    絵の具等でコテコテと分厚く描き込んでいない絵は、スケッチと呼ばれます。
    スケッチは、『ちょっと描き留める絵』と言った感じですね。

※ これらはいずれも素描と呼ばれます。

 

その作品がどれに属するのかは、結局のところは、作者の考え方次第と言う事になります…(笑)
と申します訳で、今回の私のドローイング作品は、ペンで行ったスケッチ(写生)でございました(^-^)/-

 

ペン画は、とても楽しいものです。
ペンで行うスケッチやデッサン、クロッキーは、間違った線を引いてしまっても鉛筆の様には消す事が出来ません。
その為に、難しいと思われるのではないかと思います。
しかし、間違った線を引いてしまっても、全く大丈夫!
それはあなたの生きた線なのですから、どんな線でも素晴らしいものなのです。
画面からはみ出しても、ライブ感が有って素敵です!!(#^-^#)
もし、上手に描けないなぁと思っても、描いた数だけ必ず上手になっていきます。
とにかく失敗を恐れないで、是非あなたも、興味を持たれたものをどんどんペンで描いてみて下さいね
絵にペンを使うのは、本当に面白いです。

 

今回は長いお話を最後までお付き合い下さいまして、有難うございました
次回は、猫編をお届け致したいと思います!(=^・^=)/ ))

 

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