🔰アクリル画の手引き
こんにちは!(#^。^#)/★
今回は、アクリル画の描き方をご紹介させて頂きます✍️✨
『描き方』シリーズでアクリル画を取り上げますのは
今回が初めてになります!🎨
編集にお時間が掛かり、大変長らくお待たせ致しました(^-^;ゞ
大長編記事になっておりますが
ご参考になりましたら幸いでございます💕
これまでの『描き方』シリーズの記事では
以下の画材について書いて参りました。
・鉛筆デッサン(①,②,③,④,⑤ )
・水彩色鉛筆画(①,②,③,④)
・透明水彩画(①)
・色鉛筆画(①,②)
・ペンドローイング画(①,②,③)
・オイルパステル画(①)
・イラスト(①)
先日には、アクリル画パレットの洗い方について
ご紹介を致しております。
アクリル絵の具を使われる方は
是非、下記も合わせてご参照下さいませ。
SDGs♻️ 楽して簡単! 🎨アクリル画パレットと
筆の🖌環境に優しい洗い方🚰🌏
アクリル画制作に必要なお道具のご紹介から始め
私 講師の制作過程を追いながら
描き方のご解説をして参ります(^-^)-♪
今回取り上げますのは、サムホールサイズ( 227×158mm )の
お作品でございます🌸
市松人形さんをキャンバスに描きました。
こちらが完成作品でございます。
私の絵は、完成した状態をご覧頂きますと殆どの方から
『初めから細密に描いている』と思われ
『絵が得意だからそんな風に描ける』とのお言葉を頂きます(^_^;)
実は、それらは全くの誤解なのでございます!(笑)
今回、私が自作の制作の初めから完成までを
皆様にお目に掛けます理由は
絵を学ぼうとする方に、もしこの様な誤解が有るのならば解いて
気負わずに一歩を踏み出して頂きたいと考えるからでございます。
ですから、私が失敗をしているお恥ずかしい一幕も
堂々と公開させて頂きます!(笑)
(普通の画家さんは、制作方法は秘密とされています。)
是非、絵が変になってしまった状態から
どんな風に乗り越え、整えていくのかをご覧下さい🎨✨
絵を描く上で、私はこの作業が一番大切な部分だと感じます。
出来る限り、お写真を多く掲載する様に致しました。
そして、解説に加え、私 講師の制作中の心情等も
書き添えてみました(笑)
今回の制作は小品で構図も簡素な為
試行錯誤による制作途中で作品が激変する場面は
大作の時ほど多くは見られませんが
絵が変わっていく様子をご一緒にお楽しみ頂けましたら
嬉しく存じます(#^_^#)★
記事の一番最後には、完成までの様子を
動く画像 にして一つに纏めました📷
こちらも是非、合わせてご覧下さいね✨
面白いですよ!(^-^)(自分で言っちゃう(笑))
大変文字数の多い記事になりましたが
あなたのご制作の一助になれましたら幸いでございます❣️
それではどうぞ、ご覧下さいませ!(#^.^#)/-))★
先ずはこちら!(^_^)
モデルさんご本人もご紹介させて頂きますね👀🎀✨
背丈50センチ程の、大正時代頃に作られた市松人形さんです。
お着物全体が当時のままで、状態が良好ではなかった為
描くにあたり、帯揚げ、紐、帯、髪飾りを自作し
新調致しました。 (帯と帯揚げは私の七五三の時に
着用したものをリメイク致しました💪💖)
では、お道具(画材)のご紹介から始めて参りますよ!(^。^)/-))
上のお写真は、今回私が制作に使用したものを並べました。
ジェッソ、メディウム、仕上げ用保護ニスのこれらは
作者の好みにより使用を追加する画材ですので
無くても全く問題有りません。
制作お道具は、以下の6つが有れば大丈夫です(^_^)!
① 描画用の紙類、又はキャンバス
② アクリル絵の具
③ パレット
④ 筆
⑤ 筆洗
⑥ 筆拭きの為のタオル
※ 今回の私の作品には本金箔も使用致しましたが
通常のアクリル画制作には必要な物では無い為
写真中には含めておりません。
(後ほど別でご紹介致します。)
では、お写真の左上から時計回りに画材をご紹介致しますね。
特殊な画材につきましては、後述でさらに詳しく解説致します(^-^)
- 筆洗…制作中に筆を洗う為に使用する水入れバケツです。
- 筆…アクリル画専用として販売されているものが最適です。
水彩画用の筆も使用可能ですが、アクリル絵の具には硬さがある為、柔らか過ぎない少しコシの有る筆を選びましょう。
極細筆(面相筆等)、細めの筆、中くらいの筆、大きめの筆、これら4本も有れば充分事足ります。
丸筆、又はフィルバード(丸筆と平筆の中間形状)を基本にして、大きな筆では平筆も有ると便利です。
平筆は広い画面を描く際に捗ります。
色々試して、自分の手に合った触感や形状を見付けて下さい。 - アクリル絵の具…アクリル画を描く為の絵の具です。
絵の具に水を加えて硬さや濃度を適宜調節して使います。
沢山の水で薄めて使用すれば透明水彩画の様な表現になり、あまり水を加えず原液に近い状態で使用すれば油彩画の様な表現が出来ます。乾燥すると耐水性になり、再び水に溶ける事は有りません。 - デザイン画用パレット…水彩画用のものとは違い、大きな画面の制作に適した形状になっています。画像のパレットは一番大きなサイズで、これよりも小さなサイズも販売されています。また、デザイン画用のものはパレット清掃時に、固まってしまったアクリル絵の具がスルリと剥がれますのでお手入れが簡単です。
- 油彩・アクリル画兼用キャンバス …写真のものは、木枠に張られた麻地100%のキャンバスです。綿や化学繊維のキャンバスも販売されています。麻が最も耐久性が有ります。油彩専用のキャンバスは油彩絵の具でしか使用出来ませんので、キャンバス購入の際は、アクリル画兼用のキャンバスを選んで下さい。
- ジェッソ…地塗り専用の絵の具。絵を描こうとする紙やキャンバスに下地として塗る為の絵の具です。多く使用されるのは白色ですが、色付き(灰色や黒色、ピンク色等)のジェッソや、ザラザラした質感のもの、凸凹に盛り上げられる硬めのものも販売されています。基本的に地塗り専用の絵の具は描画には使用致しません。
- メディウム…絵の具に直接混ぜて、絵の具の艶、乾く速度等をコントロールする為に使います。コラージュ(画面に写真や他の素材の物を貼り付けて絵を制作する)技法の粘着剤としても使用出来ます。
- 仕上げ用保護ニス…外部の影響(埃や空気汚染、紫外線等)から作品を守る為に、完成後の作品表面に直接塗布します。また、完成作品の色調やマティエール(作品表面の質感や状態)をコントロールする(好みの見え方に変化させる)為にも使用します。いずれの場合でも、作品完成後、絵具が完全に乾燥をしてから塗布します。
- 筆拭き用タオル…制作中、筆に付いた余分な水分を取り除く為に使用します。ティッシュペーパーやキッチンペーパーでも代用は可能ですが、ゴミを出さない為には繰り返し使用出来るタオルを使う様に致しましょう。
特殊な画材、先ずはこちらから。
先の6.でご説明致しましたジェッソです。
私は一般的な白色、標準の硬さを使用致しました。
何故、わざわざ絵を描く前にこれを塗布するのでしょうか?
その答えを、お写真でご覧頂きましょう👀✨
お写真左側は、板に白色のジェッソを塗ったものです。
木の板の様に模様のある物や、有色の媒体に絵を描く際は
ジェッソで下地を均一の単色に整えると
白い紙に描く場合と同様に、描画•着彩の作業が安定致します。
そして、絵の具の発色が良く、強くなります。
(※白色使用の場合の効果)
ジェッソを描く媒体(紙やキャンバス等)に塗布する際は
沢山の量を1回で塗ってしまうよりも、均一な薄塗りを
2、3回に分けて塗り重ねる方が美しい下地に仕上げられます。
下地作りは少し手間が掛かりますが
施すだけの効果が得られますので
ご興味のある方は色々なジェッソをお試し下さいね。
※ 数回塗り重ねる場合は、しっかりと先の地塗りを乾燥させてから
次の地塗りを行なって下さい。
勿論、キャンバスや画用紙に地塗り処理をしなくても
制作は問題無く進められます👍✨
モデルの市松人形さん。この向きから見て描きます。
さぁいよいよ制作開始でございます❣️
🎨 とても基礎的で 誰もが知っていると思われる事なのですが
パレットの使い方からご説明致しますね。
パレットに出す絵の具の量は、少ないと早く乾燥し
多量ですとゆっくりと乾燥致します。
アクリル絵の具は、水彩絵の具とは違って
一度乾いて固まってしまうと、再び水に溶けませんので
描くスピードが遅い方は、絵の具は多目に出すと作業し易いです。
⚠️ そして、パレットに出す色数につきまして。
沢山の色数(出来れば全色)を出す事をお勧め致します。
今日の作業には使わなさそうな色であっても、出しておきます。
そうする事で、混色をする際に想定外の発見が生まれるのです。
自分が使える色彩の幅が広がり、豊かな絵が描ける様になります。
是非、混色の実験や冒険をしてみて下さい。
では、描き始めましょう(^_^)/★
先ずは、
モデルのお人形をこの画面の中に
どのくらいの大きさで、
どの位置に描くのか(作品の構図)を決めます。
この小さなキャンバスに全身像を描きますと
あまりにもお顔が小さくなってしまいます。
それではお人形さんの表情が描けません。
ですから、私はこの絵は胸像にしようと思いました。
そして、綺麗な帯を是非しっかりと画面に収めたいと
思いましたので、帯の下辺りから頭のリボンまでが
画面に入る構図に致しました。
構図が決まりましたので、画面に筆とアクリル絵の具で
人形をデッサンし、大体の色を置きました。
お顔は、陰影を意識して着彩を行っております。
私はレッスンの際に皆様から
『キャンバス に絵を描く時は、何で描き始めたら良いのですか?』
とのご質問を頂きます。
そのお答えを、この場でも差し上げますね。
油彩画の場合は、小さなキャンバスなら鉛筆又は木炭で、
大きなキャンバス なら木炭を使用致します。
アクリル画の場合は、基本的には水に流れてしまわない
鉛筆(濃さHB〜3B推奨)を使用致します。
木炭の使用は画面を汚して次の着彩作業に影響を及ぼしますので
大作以外では使用を避ける方が賢明です。
キャンバスに描いた鉛筆の線を消したい場合は消しゴムを使用し
木炭の場合は布で軽く画面を擦って木炭を拭き取ります。
と、ご説明致しておりますが…。
私は鉛筆描きからの作業が面倒で、初めから
いきなりアクリル絵の具を使い、筆で構図を作ります。
このやり方ですと楽ではありますが
失敗した線は消せませんから、画面にどんどん
その描き損じ線が残っていき、間違える程に
自分が今何を、何処を描いているのかが分からなく
なっていきますので注意が必要です。
※ 楽(横着)にはリスクが伴います(笑)
画面の左側辺りに幾つか見えている茶色の線が
私の『描き損じ線』です。
実は初め、市松さんを反対向きの構図で
描こうとしておりました。
よく見るとお分かり頂けるかと存じます(^_^;)
画面全体へ、おおまかに色を置きました。
その上に、再び黒色の絵具で市松さんをデッサンし
形を取り直しました。
今のこの段階では、色彩の追求はせずに
構図の決定に力を注ぎます。
構図はこれで良いと思いましたので
このまま描き進めて参ります(^-^)✨
着物の模様も大まかに描き入れました。
これによって、作品の色彩配置の均衡性(バランス)が
確認出来る様になりましたので
少し作品の完成が想像出来る様になりました!(^_^)
では、いよいよ描き込んで参りますよ💪💕
先ずは、主役で一番大切な部分、お顔から
手を入れていきます。
ご本人のお顔にするべく描いておりましたが
ご覧の通り、変なお顔になってしまいました!(笑)
私は人物やお人形を描く際は、毎回描き始めの
段階で必ず変なお顔になってしまう事を自分自身で
知っておりますので、衝撃的な状態では有りますが
慌てず自分の絵を『またやってるなぁ〜』と笑っております。
とは言え、やはりガッカリは致します(笑)
それでも、「私なら出来る!明日また頑張ろう」と
気持ちを新たにし、失敗を乗り越えられる自分を信じて
その日の作業を終えます(#^_^#)💪💖
お顔が決まらないと、作品自体がどうにも
なりませんので、お顔を描き進めます。
先の段階よりも少しだけご本人に近付きましたが、
まだ似てない変なお顔です。
目鼻、口のバランスだけでなく、頭部と頭に着けた
リボンとのバランスもおかしな事に気付きました。
これらも一緒に修正致します。
漸く、自分が納得の出来るお顔と頭になりました!💖
これで一安心(^.^)👏
次からは、未だ手を着けていなかった着物や背景を
整えていきます。
着物や帯の模様を描き進めて、背景に色を重ねました。
背景の仕上げには、金箔を貼りますので
下に置いた絵の具の色は見えなくなるのですが
市松人形の材料である桐の花をイメージして
私はこの作品では想いを込めて背景に紫色を施しました。
制作途中で、額縁に入れて全体の構図や色の調子を確かめます。
⚠️ 実は、この作業はとても重要です。
プロの画家は、完成までこの様に何度も額縁に入れて
作品の状態を確かめながら、制作を進めます。
額装の状態で作品画面を確かめる事で
裸の状態では気付かなかった問題点(構図や色彩構成等)が
次々と見えてくるのです👀✨
本作をここで額縁に入れ、見えて来た問題点は
① 市松人形さんの左手の指先が額縁に隠れてしまい
見切れている事と
② 背中の辺りに華やかさが足りない事でした。
次の作業で、これらを解消致します💪💕
帯揚げや着物の模様をさらに整えました。
そして、左手の指先を少しだけ画面の内側に描き直し
背後に帯の蝶結びの上端を描き加えました。
※ 本当は、お人形の背中に有る蝶結びは見えないのですが
絵としては僅かですが見えている方が華やかな印象に
なりますので、描き加える事に致しました。
全体が整いましたので、次は背景に金箔を貼ります!
金の価格が上昇しておりますね(~_~;)
最近、金箔を買い足そうと思って調べましたら
この作品の制作時に購入した価格の…1.5倍になっておりました⚡️
今回の金箔は、アクリル絵の具の上に貼り付けますので
接着溶剤には、先の画材説明7.のメディウムを使用致します。
貼り付けたい部分に筆で塗布し、金箔を貼り付けます。
※ 金箔の扱いは専門的な技術が必要で非常に難しい為
こちらでは割愛させて頂きます。
僅かな鼻息でも金箔が宙を舞い、パニックになります(笑)
無事に金箔を貼れました。
最後にサインを入れて完成と致しました(#^.^#)👏💕
18金箔のお陰で、華やかになりました!(^-^)✨
そして、仕上げ用の保護ニス(画材説明8.)にも触れておきますね。
保護ニス(バーニッシュ)は、その名の通り
作品の表面を保護する為に塗布する溶液です。
各メーカーさんによって、種類は様々で
艶出し、艶消し、色々ございます。
ご使用の際は、好みでお選び下さい。
ご参考に、私が試験塗布したお写真も掲載致しますね。
⚠️ バーニッシュを塗布する場合は、完全に絵の具が
乾き切ってから行います。
商品の裏面に使用方法が記載されていますので
そちらに従って下さい。
私は『艶あり』のバーニッシュを塗布致しました。
バーニッシュは、乾いた綺麗な筆を使い
表面に均一に塗り伸ばします。
⚠️ 通常は、絵画作品は額縁に入れて飾りますので
バーニッシュは絶対に必要なものではございません。
キャンバスを裸のままで飾ったり、埃の多い環境で
長時間晒される場合には、作品保護の観点から
バーニッシュを塗布していると安心です。
バーニッシュも完全に乾きまして、額装し、
これで全て完了でございます❣️(#^。^#)🙌💕
お疲れ様でございました★
以上、如何でございましたでしょうか?(^-^;)ゞ
今回は、未だかつて無い大長編記事になりましたが
アクリル画が全くの初心者の方も、ご経験者の方にも
ご参考になるところがございましたら幸いに存じます!(^-^)/🎨✨
それでは最後に
動く画像を添えまして、今回は終了と致します🎊
最後までお付き合い下さいまして
誠に有難うございました❣️(#^.^#)👏👏👏👏👏💖✨
アクリル画も是非、お楽しみ下さい🎨💖✨