制作過程のご紹介
こんにちは!(#^.^#)★
今回は、『塗らずに描く、色鉛筆画』の描き方をご紹介させて頂きます✍️
『描き方』の記事は、久々の投稿でございます…(;^_^A
毎度の事ですが、解説をあれやこれやと書いていくうちに、長編記事になってしまいました。
色鉛筆画の描き方に加え、デッサンについても解説を添えさせて頂きました。
お時間のございます際に、ごゆっくりとお付き合いを賜れましたら嬉しく存じます(^-^♪
記事の一番最後には、完成までの様子を 動く画像 にて掲載致しました。
こちらも是非、合わせてご覧下さいませ📷✨
あなたのご制作の一助になれましたら幸いでございます💐
【追記】2020年5月4日 👇新たに掲載を致しました。
塗らずに描く、色鉛筆画の描き方vol.2【黒猫編】🐱📥ダウンロード『塗り絵』付き
色鉛筆は、誰もが幼少期に手にした事のある、最も身近で取り組み易い画材ではないでしょうか。
近年では大人の塗り絵の流行も有り、より一層親しみの湧く、
そして、専門的な画材としても人々に認知される様になりました。
今回は、そんなお手軽な画材『色鉛筆』を使用致しました私 講師の色鉛筆画の制作過程(描き始めから完成までの様子)を
解説を交えながらご紹介させて頂きます(^_^)❣
記事のタイトルに『塗らずに描く、色鉛筆画』と書かせて頂きました。
これは、私の制作する色鉛筆画は、色を塗り込めて完成させる絵では無い為です。
『描く絵』になります。
この『塗らずに描く絵』とは、
輪郭線を描き、そこに着色していく絵(所謂 塗り絵)では無く、
色鉛筆でデッサンをしながら完成させていく絵、を意味致します。
ですので、力任せにグイグイと色を塗る事は致しません。
軽やかに色と色とを幾重にも重ね合わせ、絵を仕上げていきます。
これが、私が申します『塗らずに描く、色鉛筆画』でございます(^-^)★
百聞は一見にしかず👀✨
今回の制作過程をご覧頂きます中で、
『塗る』と『描く』との違いを、少しでもお伝え出来ましたら嬉しく存じます✍
今回の記事の中で、色鉛筆の扱い方(技法)についても詳しく掘り下げたいところではございますが、
一つの記事で内容を多岐に致しますと、特に初心者の方へ混乱を招いてしまいますので、
作品の解説に必要なものまでに留めさせて頂きました。
これら以外の技術的内容(表現方法・テクニック)は、
次の機会を作り、そちらで改めてご紹介出来ればと思っております(^_^)♬
さて、前置きが長くなりましたが。
それでは、一つ一つの過程をご覧頂きながら、解説をして参りますね(#^-^#)/-))✨
先ずはこちらが、完成作品になります★彡
F4号のキャンソン 紙(白色)に、120色セットの色鉛筆を使用して描きました。
色鉛筆の美しい色彩を素直に表現したいと思いましたので、純白に近いこの紙を選びました。
キャンソン紙は、水彩画やパステル画に好んで使われる、表面に小さな凹凸が有る画用紙です。
色付きのもの(カラー キャンソン紙)も有ります。
こちらは主にパステルに使用されます。
120本となりますと、これだけの量になります。
海外、国内の 各メーカーから色々なセットが発売されており、それぞれの持つ個性が異なります。
発色(鮮やかな色彩・鈍色)、芯の硬さ、色の伸び方、混ざり方、消しゴムでよく消えるのか否か、
重ね描きが得意か不得意か、描き心地がサラサラなのかコッテリなのか、等々。
自分の好みに合ったものを探すのも、制作の上では楽しみの一つになりますね。
因みに、今回私が使用致しました色鉛筆の描き心地は、サラサラ系、やや硬めの芯でございます(^-^)
色鉛筆だけに限りませんが、彩色の為の画材は、ご使用前に
色見本(カラーチャート )を作っておかれる事をお勧め致します。
作って持っていると、作品制作の際に大変便利です。
制作が随分と捗ります(#^-^#)👍
色見本や、その作り方については、こちらでご紹介させて頂きました。 宜しければ、ご参照下さいね。
カラーチャートの作り方・基本と混色の2種(油性 色鉛筆120色)
私は制作に色鉛筆の120色セットを使用致しましたが、実際の使用本数はこの量でございました(^_^)
案外、少なかったですね…(笑)
こちらのイラストA,B,C,Dは、私の制作時の鉛筆の持ち方です。
モノクロームの鉛筆デッサンをする際も、これらと同様です。
先ず、基本的に、常に腕と肘は、机や画面に着かせません(B,C,D)。
この様に腕を大きく振れる状態にして描くと、
無駄な筆圧も掛からず、長い線もスッと引け、大きな画面の絵にも取り組む事が出来ます。
そして、画面を手で擦る事になりませんので、用紙を汚さず清潔に作業が進められます。
Aの様に、文字を書く時の持ち方をするのは、最後の仕上げで細かな部分を描く時のみです。
それ以外は、B,C,Dの軽い持ち方を致します。
私の制作時の順序と致しましては、C→D→B→Aとなります。
画用紙は、机に置いて水平な状態にしているよりも、C,Dの様に 立て掛けた状態で描いている時間の方が長いです。
そしてこちらは、色の濃淡の作り方です。
『描く色鉛筆画』ですので、一気に筆圧を掛けてグイグイと濃い色は作りません。
先端を尖らせた色鉛筆を軽く持ち、軽い筆圧で、紙に対して色鉛筆を寝かさずに立てた姿勢で細い線を何層にも描き重ね、濃い色を作っていきます。
縦線、横線、斜め線と、重ねれば重ねる程、濃い色になっていきます。
では、制作を始めましょう(^-^)!
こちらが、絵のモチーフ(モデル)に致しました椿のお花です🌸
少し斜め上からの視線で 描いて参ります。
先ずはモチーフを、画用紙の「この辺りに、これくらいの大きさで描こう!」と決めます。
そして、モチーフの形を軽い筆圧で、自分がイメージしたその量感で 大まかに描いてみます。
この作業を『構図を取る』と呼びます。
あまり濃く無い鉛筆(HB.B.2B辺りがお勧めです)で、全体の形を描いて(デッサンして)いきます。
色鉛筆はイラストCの持ち方で、構図を取っていきます。
初めから正確に描ける必要はありません(^-^)!👍
間違った線、形を恐れずにどんどん描いて下さい(笑)
その間違ってしまった線や形が、次の正確な線と形を描く為のガイド(導き)となってくれるからです。
間違った線も、制作の上で必要です!✨
色鉛筆が主役の絵ですから、鉛筆の鉛色は極力見えない様に、軽い筆圧で線を引きます。
もし、鉛筆の線が濃くなり目立って気になってしまう様なら、
その線の上を消しゴムで トントントンと、数回 軽く押さえてみて下さい。
鉛筆の鉛色が薄くなります(*´-`)✏️
この方法で、色の濃度を調節致しましょう。
モチーフの形が一通り描けましたら、必要の無い線は全て消しゴムで綺麗に消して、画面を清掃致します。
その後、各所に色を軽く置いて、全体の調子(形、色、陰影の配置、構図全体のバランス)を一度確認してみます。
色を置いて全体の雰囲気を確認致しましたら、
「 花瓶の形がもモタつているなぁ… 」と感じました(^_^;)
その為、花瓶は、斜め上からの視線では無く、真横に近い視線で見た時の形に描き変えました。
先程の形よりもスッキリとした印象に変わりました。
絵画制作では、美を追求する為に、
目に見えたままの構成だけに頼るのでは無く、
自己の意志によって構図を整理・操作し、より美しく見える形、構図を作っていきます。
花瓶の下の敷物(ドイリー)は丸型で 花瓶の丸い形状と印象が重なってしまいましたので、
構図に変化を持たせる為、角形のレースに交換致しました。
作品の完成間近での形や構図の手直しは、大掛かりな作業になります。
修正したい場所が見えて来ましたら、極力、まだ描き込んでいない初期の段階で解決をしてしまいましょう。
これで構図が決まりました。
さぁ、ここから色で描く作業を進めて参りますよ☺️✍✨
筆圧を掛けずに、サラサラ〜、シャカシャカ〜っと、
はみ出し等はあまり気にせずに、大まかに色を置いていきます。
しかし、色は大まかに置く作業を致しますが、
陰影(影の部分、明るい部分の位置関係)は 初めの段階からきちんと正しく捉えていきましょう。
花は早く形が変化してしまいますので、花の方から先に作業を進めています。
テーブルに映っている敷物を描く準備として、敷物の下にその映り込みの形も描きました。
まだまだザックリな描き方で、繊細には描かないです(笑)
今は、色彩と陰影の調和を作っています。
正しく光と陰の関係を捉える事に 専念致します。
花の陰影が深まって参りましたので、手前の花が随分とハッキリ見える様になりましたね。
背面に有る左右の花は、現段階ではあまり描き進めません。
徐々に全体の様子を見ながら仕上げてきます。
もし、背後の花を前の花と同じくらいの強い印象にしたい場合は描き込み、脇役に留める場合は描き込まない様にする為です。
花と葉の全体が掴めましたので、次は、放っていた花瓶を 花の描写に追いつかせますよ(^_^)🌸🍃
机の茶色を使用して、花瓶の透明な様子と、机に映り込んだ敷物を描いて参ります。
まだまだサラサラ〜、シャカシャカ〜の、ザックリ描きです。
このイラストDの持ち方で、制作を進めておりますよ(#^-^#)★
作品と致しましては、これで終わっても鑑賞に耐えらる状態にはなっておりますが、
まだもう少し描き込んで参ります✍✨
軽い力で細い線を重ねていき、花、葉、それぞれの影と光の表現を深めていきます。
紙の凹凸(小さな白い粒々)が見えておりますね。
これを少しずつ減らして、画面を密にしていきたいと思います。
先端を尖らせた色鉛筆を細かく動かして描いていくと、
紙の小さな窪みにも色が着きますので、見えていた紙の凹凸(小さな白い粒々)が徐々に減ってきいます。
花と葉と一緒に、常に花瓶も描き進めています。
絵は部分的に完成させて仕上げてしまうと、
最後には全体に違和感を感じる 不自然で纏まりの無い作品になってしまいます。
気を付けて下さい👀✨
部分的な作業にならない様に、全体を描き進めましょう。
画面(紙への色の着き方)を密な表現していくこの辺りから、
このイラストBの持ち方、扱い方も開始します。
筆圧は軽いままで、シャカシャカ~、サラサラ~と動かしていきます。
芯の先端は、常に尖らせた状態で描いています✍✨
花瓶と机の表現も密になって来ました(^-^)☆彡
アラ…(@_@)‼ 背後の右の花が描き遅れておりますね…。
蕾の花の為に、花びらの形ががややこしくて、後回しにしておりました(^。^;)ゞアハハ
こちらも整えましょう★
蕾も形を取って、陰影を描きました。
左下の葉が、まだザックリ描きのままになっておりました…(;^_^A
他の部分にもきちんと手を入れ、全体の陰影を整えて、そろそろ仕上げたいと思います★
はい、本作は これにて完成と致します!🎊👏
最後に陰影を強めましたので、ハッキリと見え易くなりました。
お疲れ様でございました(#^.^#)❣🍡🍵🌸
以上、制作過程をご覧頂きました。
お付き合いを下さいまして、有難うございます★
続きまして、もう少し 解説を続けさせて頂きます(^_^)ゞ
本作をデッサン作品として少し振り返り、大切な事を確認してみたいと思います。
モチーフ(モデル)に色彩や模様が着いていると、
人間の目は、その色彩や模様に興味を惹かれてしまい、そこに存在している陰影(光と影)が見えなくなってしまいます。
私たちの身近にあるもので、色彩と模様が有る為に陰影を見付け辛いものの代表と言えば…
林檎かもしれません。 特に、赤色の林檎です🍎
赤色の林檎のデッサンしようとすると、
「 影が何処にあるのか分からない 」
「 色彩と模様だけしか見えない 」
そんなご経験は無いでしょうか?
では、もしもリンゴが白かったのなら、どう見えるでしょうか…👀👓
影が何処にあるのか分からなかった林檎も、白くなれば全体の陰影が見えてきましたよね?(#^-^#)
基礎デッサンのお勉強に 白い石膏像や幾何形体が用いられる理由は、ここに有ります。
色彩や模様の無い白い物体なら、陰影を容易に見つけられる為です。
デッサンのお勉強を重ねていくと、色や模様の有る物体を見ても、直ぐに陰影を見つけられる様になります。
それでは、本作のモチーフでは、何処に影が出来ていたのか、
お分かりになられましたでしょうか?
答えは、こちらでございます…↓
透明のガラスであっても描くべき影(陰影)は存在しています。
どんな作品でも、先ずは
描き初める前に、光源の位置を確認致しましょう。
何処に光源が在り、どちら向きに光が差しているのか。
影は何処に出来ているのか。
これらを初めに知っておけば、途中で迷子にはならず、制作が順調に進められます。
先にご説明させて頂きました『常に全体を描きながら仕上げていく』理由は、
モチーフひと塊りに存在する光と影を捉える為なのです。
(上の画像参照)
紙の凹凸(小さな白い粒々)が消えて、描写が密になりました様子も、
拡大画像にてご紹介させて頂きますね(^.^)/-♪
花芯や葉脈等の細部を仕上げる際は、色鉛筆をイラストAの様に用いて描きました。
花瓶は、ガラスの透明な質感を出す為に、最後の方で薄いグレーや白色の色鉛筆を使用し、
筆圧を少し強めて下に置いた色に混ぜ込む様にして描いています。
ここだけは、グイグイ描きました(笑)
モチーフと机の接点には、この絵の中でも最も暗い影が出来ます。
モノクロームの鉛筆デッサン同様、これを見逃さずに描きます。
この小さな強い影が、作品全体にメリハリを与えてくれます。
レースの敷物や光の表現には白い色鉛筆は使用しておりません。
紙の白色を利用して(着彩をしない事によって)、白さを表現しています。
机の色彩は、薄い黄色、黄土色、赤茶色、こげ茶色を何度も重ねて作っています。
影の部分には、紺色も使用致しました。
絵は、沢山の色を重ねて描いていくと、単色の濃淡のみで描くよりも豊かな表情になってくれます。
様々な色の掛け合わせで、是非あなたにしか出来ない色彩表現を探求してみられて下さいね(#^。^#)✨
今回は特に、長い長い記事になりましたが、最後までお付き合いを下さいまして誠に有難うございました(#^.^#)★★★
身近な画材『色鉛筆』で、あなたにも絵をお楽しみ頂けます様に❣❣
オマケでございす…😹(笑)
有難うございました(#^-^#)/-))